「お試し福岡リモートワーク生活」を終えた6人に聞く!本当のところ、どうでした?

「お試し福岡リモートワーク生活」を終えた6人に聞く!本当のところ、どうでした?

CINRA.JOB』より転載(2019/1/16掲載)

「福岡クリエイティブキャンプ(FCC)」の一環として、福岡で3週間の移住生活を体験いただく「お試し福岡リモートワーク生活」のメンバーを、一般公募しました。福岡での住まいやオフィスをFCCが用意したこの企画。選ばれた6人は職種も動機もさまざまですが、福岡に訪れたことがないという人がほとんど。「食べ物がおいしそう」「住みやすそう」というメディアで得た知識や、噂レベルの情報しか持ち合わせていない6人が、“住む街”という視点で見た福岡をどう感じたのでしょうか?
取材・文:寺尾えりか 撮影:勝村祐紀

移住体験をした6人はこちら
青柳佑弥
福岡出身。クリエイティブスタジオ ワントゥーテンで、ロボットやAIを活用した体験つくりに携わるディレクター。将来的にUターンでの福岡移住を検討中。
飯寄雄麻
87年生まれ、静岡出身。これまでLoftworkやソーシャルテレビ局・2.5D、THINKRに所属し、その後独立。現在ではフリーランスのディレクターとして、音楽に限らずものづくりを発信する「ゆざめレーベル」を主宰し、銭湯特化型メディアの「東京銭湯」にも携わるなど新たなカルチャーを発信。
・Casey Yoneyama
アメリカ生まれアメリカ育ち。6年前から日本で働く。現在は外資広告代理店のワイデンアンドケネディでアカウントマネージャーとして活躍。
田汲洋
東京出身。インフォバーンで広告ディレクターを経験した後、人事として新卒採用を担当。社内で「オフィス改革プロジェクト」に携わり、リモートワークを体験したり、今後の働き方を模索すべく参加。
たけべともこ
神奈川出身。CAMPFIRE広報。福岡オフィス設立を検討しているおり、プライベートでも福岡への移住を視野にいれていることから、お試し移住に応募。
光永智子
東京出身。CINRA.JOBのプランナーとして求人広告の営業や原稿の執筆などを行う。百聞は一見にしかず、社内でも話題に登ることが多い、リモートワークを体験してみたくて参加。

左から青柳佑弥さん、飯寄雄麻さん、光永智子さん、田汲洋さん、Casey Yoneyamaさん、たけべともこさん。

天神から電車で20分。窓から海が見えるシェアハウスでの生活

今回のお試し移住期間、6人の拠点として用意されたのは「今宿」のシェアハウス。ここは、“福岡の湘南”と呼ばれ、海や山などの自然溢れる糸島市と、福岡市の中心地とのちょうど中間地点にあるエリア。窓から顔を出すと穏やかな海が目の前に広がり、自然と心癒される立地です。

たけべ:中心地から少し移動しただけで、自然が感じられる場所が多いのに感動しました。

天神から今宿までは、電車で約20分。東京でいうと、品川から新宿ほどの移動距離で、がらりと街のイメージが変わります。さらに、フェリーに10分乗れば、能古島という離島も満喫できるなど、自然を堪能するにはもってこいの場所。

能古島と姪浜を往復する船(画像提供:たけべともこさん)

今宿駅前の夜ごはんスポットは、閉店時間が早いのが少し残念ポイントだったそうですが、それもローカルの良さ。「定時でパッと仕事を終わらせて、ごはんを食べに行くぞ!」と、ポジティブに切り替えたんだとか。もちろん、天神や博多など中心地まで飲みに出ることも。

(画像提供:たけべともこさん)

ケーシー:リモートワークの場合、基本的に一人で作業をしているので定時という概念がなくなってしまい、ずるずると仕事してしまうことも多かったんです。なので、週に数日は飲みに行く予定を入れて、オンオフを切り替えるようにしていました。

敢えて中心地から少し離れている場所に拠点を構えることで、オンオフの切り替えについて考えるいい機会になったのだそう。

田汲:今宿から天神への移動はJRと地下鉄が相互直通運転しているのでとても便利なのですが、少し運賃が高いのがネックでした。ただ、それも中心地に住んでしまえば解決してしまうんですけどね。

交通の便だけじゃない。“コンパクトシティ”福岡は、人と人の距離も近い?

6人が一様に感じたのが「人と人との距離が近い!」ということ。東京では当たり前だと思っていたことが、福岡に来てうれしいギャップに驚いたんだそう。

ケーシー:居酒屋で友だちと「次、どの店に行こう?」って話していたら、周りにいたお客さんたちが「ここは行っておいた方が良いよ!」「ここに行かんと福岡は語れんよ!」と、どんどん提案してくれたんです。アメリカで生まれ育った僕としては、東京はクールな人が多いのに対して福岡はフレンドリーな方が多く、すごく馴染みやすかったです。

(画像提供:たけべともこさん)

田汲:取引先に挨拶に行ったら、全社員の前で紹介していただいてびっくりしました。

光永:初対面の方でも、すぐに名前を覚えてくれて、積極的に名前で呼んでくださるのでうれしかったです。

青柳:僕は福岡出身なんですが、今回企業訪問などで出会った方々は「この人にも会っておくといいよ」と言って別の会社の方を紹介してくださる方が多く、改めて福岡のネットワークの強さや人のあたたかさを実感しましたね。

コワーキングスペース「The Company

特徴的なのが、オンオフに関わらず“人と人との距離の近さ”を体感した人が多数いたこと。福岡県民にとっては当たり前のこと=県民性が、東京ではなかなか感じることのない距離感を生み出したのかもしれません。

福岡で、東京の仕事はどれくらいスムーズにできるのか

住む場所を考える時に切っても切り離せないのが、今の仕事を続けるのか? 転職するのか? という選択。転職して移住しない限りはリモートワークというワークスタイルをとることになります。実際に、今回「お試し福岡リモートワーク生活」を体験した6人の中で、フリーランスとして活動しているのは飯寄さんのみ。東京の会社に所属したままのリモートワークは、どうだったのでしょうか? それぞれのコメントをご紹介します。

たけべ:環境を変えながら働けたので、ひとつひとつの作業の濃度が高くて、とてもやりやすかったです。ただ、過程を見てくれている人が誰もいないので、結果をちゃんと残さなければいけない、という良い緊張感を感じながら仕事をしていました。東京にいる同僚たちからは、冗談半分で「たけべさん、そっちにいるとやさしいね」って言われました(笑)。対面だと、多少雑に指示を出しても「ニュアンスで伝わるだろう」という甘えが出てしまっているのかもしれませんね。

ケーシー:正直、想像していたより大変でした。テレビ会議やメール、チャットだけでは人の感情を十分に読み取れないので、現場の状況を察知して合理的なソリューションを出すことが難しかったです。だからこそ、みんなより一歩二歩先を読むような努力をしました。そうすると1日のプランが明確になって、オンオフの切り替えもしやすくなりましたね。

飯寄:フリーランスなので、他の5人よりはリモートワークがしやすいのかなと思っていたのですが、チームで動いている案件が多く、なかなか思うようようにいかないことも。ただ、細かいコミュニケーションが取りにくい分、一度に出す指示の濃度を上げるなど、こちらのやり方を変えることによって、だんだんと意思疎通がうまくいくようになりました。

シェアオフィス「SALT

青柳:コミュニケーションが遮断されるので、単純に作業自体ははかどりました。マネージャーという立場上、チームのスタッフに指示を出すことが多いのでその点が心配だったんですよね。テレビ会議などで極力状況を把握していたのですが、各々がしっかり考えて能動的に動いてくれていることがわかり、想像以上に円滑な業務を行うことができました。普段、余計な口出しをしてしまっているところもあるのかな……と自分自身反省もありました。

と、やはり、東京にいる時と同じようにはいかず、リモートワークに適した指示の出し方、会議の参加の仕方、事前準備の方法など、いくつかのコツをつかむまでに少々時間を要したようです。ただ、コツをつかんでしまえば「いつも以上にしっかりと会議前の準備をするようになるので、無駄がなくなった」など、ネガティブだった要素がポジティブに変換されたんだそう。

東京・大阪と比べなくたっていい。福岡ならではのビジネスチャンス

首都圏の企業が見据えるのが世界だとしたら、福岡はどうなのでしょうか。3週間、さまざまな場所、そして人に触れ合う中で「福岡はチャンスが転がっている街だよ」と声を掛けられることも多かったといいます。東京に比べると、ビジネスにおいてもまだまだ発展途上の段階だということ、そして、急速な発展により、人手やアイデアを欲している企業も多いのが現状です。

能古島からの景色(画像提供:青柳佑弥さん)

飯寄:福岡の需要を探りながら、チャレンジしてみる価値を感じました。たとえば、福岡にいながら東京からの仕事を受けているだけでは単にQOLが上がるだけですが、福岡には福岡のビジネスチャンスがあるように思います。韓国や台湾など、物理的にアジア圏の各国とも近いですしね。

ケーシー:アメリカではメジャーな都市以外でも、その土地独自の化学反応が起こり、文化が生まれています。福岡も東京や大阪の次を目指すのではなく、「ここで生まれるもの」「自分の目で見て良いと思えるもの」を抽出していけば、福岡らしい化学反応が生まれていくと思います。

福岡では起業家やスタートアップへのバックアップにも力を入れて取り組んでいるので、うまく活用しながら需要を探っていくのも手かもしれません。

結論、移住はアリ?ナシ?

“自然を身近に感じられる今宿自体の環境はすごくよかったけれど、総合的に考えると天神などの中心地に住むのがベスト。そのことによって、打ち合わせの移動時間など小さなストレスがなくなり、オンオフともにより充実した時間が過ごせるのではないか?”という結論に。

写真提供:福岡市 撮影者:Fumio Hashimoto

一度、とある離島に移住を試みたけれど、挫折してしまったというたけべさんも太鼓判。

たけべ:東京から突然離島に移住してしまうと、断絶されているという感覚がすごかったんです。中心地から空港が近い福岡なら、日帰りでも東京にピューと行けてしまう環境。ここでならリモートワークも現実的だと感じました。

それぞれの立場上の課題や、会社の制度による問題点はともかく、福岡という土地に対する不満は怖いくらいに出てこなかったので「どんな小さなことでもいいので正直に言ってください」とさらに念押し。「絞り出そうとしても、出てこないんだよな……」と一同頭を抱えるのでした。

開始前は「3週間まるっと福岡にいるのは難しいかも」という相談がちらほら挙がっていたものの、終わってみると「3週間じゃ全然足りない!」と全員が口を揃えて言うほど求心力の強い福岡。すぐの引っ越しは難しくても、どうやったら福岡に拠点を持てるかと具体的に考え始めたという声もありました。移住、リモートワーク、2拠点生活などを考えている人にとって、福岡はその最初の一歩を踏み出すのに適した街と言えるかもしれません。

FUKUOKA CITY スタンバイ
福岡で仕事が見つかる
求人マッチングアプリ
FUKUOKA CITY スタンバイ
福岡で仕事が見つかる
求人マッチングアプリ
アプリで見る