ビジネスマンから不動の人気を誇る福岡市。
家賃や通勤時間など”働きやすさ”の話は良く聞きますが、経営視点でみたビジネス拠点としての福岡市のポテンシャルはどうなのでしょうか?
実際に福岡市に拠点進出したさまざまな企業の”リアル”をリレー形式でお届けします。
【第4弾:株式会社ジャパネットホールディングス 様】
今回訪問したのは、【株式会社ジャパネットホールディングス】様。拠点機能の分散化のため、2021年12月に天神ビジネスセンターに新オフィスを開業いたしました。昨年10月の立地検討企業向けトークセッション「福岡から世界への挑戦!福岡だから実現できる新たなビジネスの可能性。」にもご登壇いただいた、同社執行役員の永溪 幸子さんにお話を伺いました。

プロフィール

永溪 幸子
2003年にジャパネットたかたへ入社。入社後はコールセンター、社長室、媒体営業などを担当する。新規事業戦略、ペーパーメディア企画制作部門の責任者を経て、2017年にジャパネットたかたのメディア企画・制作部門の執行役員に就任。2020年にジャパネットホールディングス執行役員に就任し、現在に至る。
さっそくですが、今回、拠点を福岡市に移転するに至ったきっかけを教えてください。
永溪さん「コロナ禍により新しい働き方が問われる中で、オフィスの在り方について改めて考えたのが一番のきっかけです。コロナ禍で在宅勤務を経験したことで、生活の中で多くの時間を占めていた通勤時間が短縮されるのは安心だし、やっぱり快適だよねという話があがったんです。だったら、それが実現できる場所に新しくオフィスを作ることもいいんじゃないかと。一方で、弊社は社員同士のコミュニケーションを大事にしておりますので、基本的にはオフィスに出勤してもらいたいという想いもありました。チームとして集まって動くことで、価値を何倍にもしてきたことが弊社の強みだと考えています。オフィスは社員の集まる場として非常に大事にしたい。だったら、『会社に来たい』と社員に思ってもらえるような、働きやすさを実現できる場所に、新しくオフィスを構えてもいいんじゃないかと。そう考えたことがきっかけですね。」
コロナ禍をきっかけに働き方を見つめ直していく中で、新オフィスを開設するという考え方に至ったんですね。新オフィスの場所として福岡を選んだ理由は何だったのでしょう?
永溪さん「もともと会社自体が長崎の佐世保からスタートしていることもありますし、社長・役員陣も九州出身者が多かったので、移転するのであれば、九州にしたいという想いがありました。わたし自身も佐賀の武雄出身ですし…。そうすると、皆自然と幼い頃から染み込んでいる認識といいますか、九州だったら福岡がいいという共通のイメージがあったようで、そこからはトントン拍子で話が進みましたね。最初に話が出てから、この天神ビジネスセンターに決めるまでは半年弱だったかと思います。仕事のスピード感は本当に早い会社なので!」
都内でオフィス移転するだけでも1年前後はかかるとお聞きしますが、けっこうなスピードですよね(笑)オフィス移転に伴い、福岡に縁がない人には異動の不安もあったのかなと思うのですが、実際の社員の皆さんの反応はどうでしたか?
永溪さん「役員陣で話がでてからすぐに、福岡への転勤を希望する社員がいるかアンケートをとりました。当時コロナ禍の真っ只中で、実家にも帰れないというストレスを抱えていた九州出身の社員は、喜ぶ人が多かったですね。一方で関東出身の社員は、戸惑いもあったと思います。ですが、今取り組んでいる業務に継続して取り組みたいというメンバーは、積極的に福岡に行きたいと申し出てくれました。今まで異動には消極的だったのに、福岡という場所に魅力を感じて異動を希望する社員もいましたね。」
福岡オフィスの開設の狙いとして、拠点機能の移転があったとお聞きしております。福岡オフィスに移転する事業の選定はどのようになされたのでしょうか?
永溪さん「一部の部門では無く、一定の規模を移転したいと考えておりました。そこでいくと、(東京の)メーカーさんと関わるようなバイヤー部門は東京の方が良いですが、それ以外の部門については、まとめて福岡でも不都合は無いのではないかなど、規模と業務内容を意識して決定していきました。
また、クリエイティビティを強化するための人材獲得を、今回の移転に期待していたこともあり、クリエイティブ部門は福岡に持ってきました。クリエイティブ人材は東京では競合が多いので、なかなか獲得が難しいんです。一方、福岡は九州の基幹都市でもあるので、いい人材が獲得できるのではないかという期待がありました。それに加えて、長崎の地域創生としてプロサッカークラブ『V・ファーレン長崎』や『長崎ヴェルカ』の運営や稲佐山での音楽イベント等を実施していることもあり、九州内にクリエイティブの部門を配置したかったんです。」
東京にあった方が有利な部門は残しながらも、新しい人材を獲得したいクリエイティブ部門は福岡に集中させて…と立地を考えた事業選択をされたんですね。事業移転をするにあたって、なにか不安はありましたか?
永溪さん「はい。人材獲得は実際にやってみないと分からないところですので、やはり不安がありました。ですが、嬉しいことに採用はすごく順調でして、現在働いている250人弱のうち半分以上が福岡で新しく採用した社員になります。実際、業務開始してまだ3カ月ですが、非常にいい人材が確保できているので、今後はさらにクリエイティブ人材を確保し、クリエイティブ機能を福岡に集約したいと考えているところです。」

永溪さん自身は、これまで福岡での居住経験はなかったんですよね。実際に住んでみた印象はどうでしたか?
永溪さん「とても暮らしやすいなと思いますね。今は徒歩で出社できるところに住んでいるので、通勤時間が半分以下になって時間の余裕もできましたし、家の相場も都心とは全然違います。住みやすさに関しては、良いだろうなと思っていましたけど、実際に来て、想像以上だったと実感したところです。」
新しいオフィスではおもしろい取り組みとして、席決めをくじ引きでされているとお伺いしました。
永溪さん「席はフリーアドレスになっているのですが、気づいたらお決まりの場所ができて固定化されてしまうことが他の拠点でも多かったんです。そこで、いろいろな場所を経験できるようにと、部署ごとでの席替え制度を取り入れました。2週間ごとにくじ引きで席決めをしています。最低限のチームとしてのまとまりはありつつも、自由なコミュニケーションを活性化できるような環境づくりを心がけています。」


ちょっとしたことですけど、そうした楽しみがあることは社内の活気につながりますよね!中学校の席替えで隣が誰になったとか、窓際の席になって嬉しいだとか盛り上がったことを思い出します(笑)。
永溪さん「そうですね。クリエイティブメンバーはモニターを2つ使っていたりするので、特殊な机が仕事しやすいだとか、人によっては景色がいい席が好きだとか(笑)実はちょうど明日がその抽選日なのですが、前回からガチャガチャにバージョンアップしました。部署の代表が総務のところに行って、アナログでいい席を勝ち取りにいくんです。」
コミュニケーションが活発になることで、生まれるビジネスもありますよね。他にも独自の取り組みなどはあるんですか?
永溪さん「月に1回お菓子会といって、役職者がお菓子を振る舞う会を開催して、社員とコミュニケーションをとっています。また、Gigi㈱さんと提携して、「びずめし」という制度を導入しました。近辺の加盟店に行けばランチが食べられるチケットを、社員に配布するサービスです。外食を促すので、休憩スペースの面積を減らすことができ、その分の経費を社員のお昼代にあてるという工夫です。気軽に同僚ともランチに行きやすくなるので、コミュニケーションを活性化する狙いもあります。」
今後、福岡でどのように事業拡大をしていくか展望をお教えいただけますか?
永溪さん「サービスイノベーションの新規企業が福岡には続々と登場しているので、そことの連携は獲得していきたいですね。また、2024年には、民間主導の地域創生モデルとして長崎スタジアムシティが完成する予定です。クリエイティブ部門を福岡に移転しましたし、新しい人材も採用していくので、他ではまだ実施していないような新しい企画・イベントを創出していきたいと考えています。」
通販事業については、この福岡ならではの展開を考えていますか?
永溪さん「通販事業については、制作部隊は佐世保と東京、バイヤーも東京なんですが、クルージングや新しいサービスを展開していく部門が福岡にきているので、ここ福岡から新たなビジネスでのお付き合い先を探していけたらと思っています。世の中に埋もれている良いものを伝えていくというのがジャパネットの想いなので、そこに合うサービスを見つけたときは、ぜひ展開していきたいと思います。
新たなサービスや価値の創出は、福岡市も目指しているところです。ジャパネットホールディングス様のチャレンジに、ぜひ期待しております!
株式会社ジャパネットホールディングスとは
ジャパネットグループは、関わるすべての方の「今」を楽しくしたいと考えています。
モノの向こうにある生活や変化を伝え、見る人聴く人、そして商品を手にしたお客様の「今」が豊かなものになること。
地域の魅力を広げ、感動と誇りあふれる「今」を届けること。
関わるすべての方とジャパネットがつながったとき、その「今」が楽しいものであるように、 ジャパネットグループは、それぞれの「今」に挑戦し続けます。

企業公式HP
https://corporate.japanet.co.jp/
福岡拠点
〒810-0001
福岡県福岡市中央区天神
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